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化学工業新聞掲載 歯科用セメとたんぱく質 同時に落とす洗浄剤 東北大 ケディカ

2018年04月19日

東北大学とメッキ・表面処理メーカーのケディカ(仙台市泉区、三浦智成社長)は、歯科用セメントとたんぱく質汚れを同時に除去する洗浄剤を開発した。超音波洗浄のみで汚れの完全除去が可能な歯科系アルカリ洗浄剤で、これまで多くの労力と時間がかかっていた除去作業を大幅に簡素化できる。医療商社のシバタインテック(仙台市若林区)が販売を開始した。 治療に用いた歯科器具に付着している固化血液などのたんぱく質と歯科用セメントを除去する際、従来はある程度の汚れを人手により洗浄除去した後に、専用メッシュ容器に入れて自動シャワー洗浄機で洗浄する。それでも、とくに歯科用セメントを完全に除去できないため、次の滅菌処理に進める前に目視で汚れ残りをブラッシング除去していた。

開発した歯科用セメントとたんぱく質汚れの同時除去洗浄剤「ケディクリーンTZK」溶液は、超音波洗浄のみで完全に除去することができるため、事前洗浄と後のブラッシング工程の削減を可能にした。鋭利な先端形状をした医療器具に直接触れることなく高い洗浄度が得られる。同製品をベースにした医療用シャワー式洗浄機用の無泡性洗浄剤「ケディクリーンEX」も開発しており、幅広い洗浄機での対応が可能になった。

開発にあたっては歯科生体材料学分野と共同研究を行い、洗浄対象材料への影響がないこと、洗浄剤の残渣がないこと、洗浄機の構成材料への影響がないことなど多面的な調査とデータ蓄積を行った。

同製品は、東北大学病院臨床研究推進センター(CRIETO)が運営する医療現場での事業発掘プログラム「アカデミック・サイエンス・ユニット(ASU)」の成果で、プログラム開発から初めて実用化に進んだプロジェクト。現在開発中の製品もあり、東北大学病院内で検証しながら用途に応じた製品を充実させていく予定。