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日本経済新聞掲載 ケディカ メッキ加工の知見生かす 医療器具向け洗浄剤販売

2018年12月27日

表面処理加工を手掛けるケディカ(仙台市)は歯科医院などで使う

医療器具向けに高機能の洗浄剤を開発した。今秋から専門商社を通じ

全国販売を始めた。本業のメッキ加工で培った洗浄のノウハウを生か

し、東北大学と共同開発した。従来の洗浄剤では難しい歯科用セメン

トも洗い落とせ、医療現場の業務効率化につながる。まず年間1千本

以上の販売を目指す。

新製品の「ケディクリーンTZK」はアルカリ性の洗浄剤で、たん

ぱく質の汚れと歯科用セメントを除去できるのが特徴だ。歯の治療で

使う「リーマ」や「ファイル」と呼ばれる先のとがった金属製の医療

器具などを洗える。標準で2%に薄めたうえ、超音波洗浄機に入れて

洗う。

これまで厄介なセメントなどを洗い落とす場合は、手作業であらか

じめ洗っておいたり、ブラッシングしたりしていた。ケディクリーン

を使えば、こうした手作業が要らなくなるという。省力化に加え、器

具で手を刺してケガをするリスクも軽減でき、感染予防にも効果があ

るという。

ケディカは電子部品や建築資材といった多様な素材に金やニッケル

などでメッキ加工を施す表面処理を得意とする。顧客から預かった製

品にメッキ加工する処理として表面の汚れを除くための洗浄工程があ

り、ここでの知見を洗浄剤に生かせると判断。東北大学病院(仙台市

)と約3年をかけて共同開発した。

大学や宮城県産業技術総合センター(同)の検査で医療器具に影響

がないことや清浄度を確認。大学病院では2017年から使い始めた

価格は2リットル入りで税別1万6500円。同等の洗浄力がある

従来品と比べると2割ほど安いという。ケディカは顧客から依頼され

た製品の加工を主力としてきたが、独自製品の販売は初めて。三浦智

成社長は「ものづくり企業として自社製品を展開したいと思い開発し

た」と話す。